2017年6月10日土曜日

SACRA 4G-50-CL(50mmカーボンクリンチャー)ファーストインプレッション



SACRA Cycling。

間違いなく、(品質の高い)カーボンクリンチャーホイールに価格破壊を起こした(2017年現在)新興メーカーである。

私が初めてSACRAの名を知ったのは、特殊コーティングされたチェーンが最初である。
SHIMANO DuraAceのチェーンに対して特殊なコーティングを行い、抵抗を更に低減した、というものだったように思う。

そして満を持して登場したのが今回ファーストインプレッションをお届けする、カーボンクリンチャーホイールである。






SACRA Cyclingのカーボンクリンチャーホイールが一躍有名になったのは、おそらくバイシクルクラブや最強ホビーレーサーである高岡氏のブログで取り上げられたのが発端ではなかろうか。

メーカー製カーボンクリンチャーホイールとしては破格の13万円強という価格で世に送り出されたのである。

しかし、あまりにも安価なその価格と、BORAクリンチャー等と比べてしまえばやや重いその重量スペック、メーカーHPからは今1つ伝わってこない商品の設計思想から、なかなか購入に踏み出せないサイクリストも多いのではなかろうか。

そんな悩めるサイクリストの一助にでもなればと、このファーストインプレッションを執筆した。

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SACRAホイールが届いた。開梱レビュー

さて、さっそく上りあり下りあり平坦あり向かい風あり横風ありな状況で使ってみたインプレッションをしてみよう。

下記の目次で話を進める。

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1. スペック(重量、価格、対応タイヤ)
2. 基本性能(剛性、エアロ効果、乗り心地、ブレーキ性能、熱耐久性)
3. 横風耐性
4. 音鳴り

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1. スペック(重量、価格、対応タイヤ)

重量スペックは1590g±30gと、カーボンホイールとしてはやや重め。
ただし、50mmクラスのカーボンクリンチャーとしては可もなく不可もなく、な重量である。

価格は2017年6月現在で通販でも直販でも(たぶん)店頭でも136,000円。

対応するタイヤサイズは25C以上。
23C等はメーカー非推奨なので注意(ただし、個人的主観によれば、23Cも普通に装着可能と思う)。

2. 基本性能(剛性、エアロ効果、乗り心地、ブレーキ性能、熱耐久性)



次に基本性能。

チューブはミシュランのブチルチューブ(バルブ長80mmを使ったが、かなり余るので65mmくらいでもいいかもしれない)、タイヤはミシュランパワーコンペティション25Cの新品を用いた。
ホイールを交換し、走り出した瞬間に分かったのはその駆動剛性の高さ。

ペダル・クランクを踏み込んだ時、ロス・タメなく、ソリッドな感触で、スッと自転車が進むのが分かる。

横剛性も同様に高く、かなり詰めたブレーキクリアランスでスプリントをしても、リムにシューがタッチすることがなかった。

加えて、変な捩れや撚れもなく、踏み込んだ分素直に進んでくれる感覚。

お手頃価格なカーボンクリンチャーといえど、ここは中華カーボンとは一線を画し、大きく差を空ける性能を持っている。

この剛性の高さから、踏んだ分だけ推進力に変わるので、10%を切る程度の斜度までは特にその重さは気にならない。

逆に10%を越えるような斜度では、ホイールの重さが目立ってしまい、引きずられるような感触がある。

剛性に関して最も感動的だったのは下りのコーナリングである。

その剛性の高さから、セルフステアが非常に引き出しやすく、また、コーナリング時の安定感もとても高い。相当なスピードでコーナーにツッコんでも、ホイールはまだまだ余裕がある印象である(剛性の低いホイールだとコーナリングフォースにホイール剛性が負けてしまい、姿勢が安定しない)。

S字の切り返しも軽快そのものでスパッと切れ味よく、とてもキモチイイ。

今回、すべての性能において最も感動したのが、この「コーナリング性能の高さ」である。

次にエアロ性能である。

シミュレーションと風洞実験により最適化されたエアロリムは、非常にエアロ性能が高い。

35km/hからの伸びが特徴的である、と書くと月並みであるが、まさにその通りなのである。

下りで足を止めていても自然と速度が伸びていく点からも、そのエアロ性能が伺える。

剛性の高さに起因して、乗り心地は決してよくはない。

路面情報を的確に伝えてくれる、というと聞こえはいいが、このホイールに対して乗り心地の良さは求めてはいけないように思った。

このホイールはレーシングホイールである。

ただ、これをもって200kmのライドができないか、というとそうではない。

ブレーキ性能に関しては、かなり高い次元でまとまっているように感じた。

効きの絶対値も大きく、また、リム自体が高温になりにくいのか、ブレーキを掛け続けてもブレーキの効きにムラがでないように感じた。

アルミリムに近い感覚でブレーキングできるように思う。

基本性能の最後は熱耐久性である。

SACRA Cyclingが自信をもって「アルミブレーキシューも使用できる」と言っているだけあって、5%程度の勾配の下りでブレーキを引きずるような使い方でもリムにダメージが及ぶことはなかった。
※ノーマルブレーキシューでの運用はまだ行っていないので、後日セカンドインプレッションにてインプレを行う

3. 横風耐性



SACRAホイールを有名にした要素の1つとして、この「横風耐性」があるのではなかろうか。

一般的に、50mmというリムハイトは、強い横風が吹くシチュエーションでは危険である。横風によって強制的に車線変更を行わされるような感覚に陥る。

さて、このSACRAホイールは本当に横風に強いのか。

結論から言って、横風にかなり強い。

他にも他社製38mmリムハイトのホイールを運用しているが、そちらよりもSACRA 50mmの方が横風耐性が高いのではないか、と感じる。

具体的な現象を説明する。

SACRAホイールは、横風が吹いてもそれをなかったことにする(横風に気付かない)ようなホイールではないと感じた。

実際には、横風に対して、ほんの一瞬だけ、フロントホイールがブレる。

しかし、即座に、自然とフロントホイールのブレが収束し、元の走行姿勢に戻るのだ。

実質、横風による走行位置の変化というのは極微小で、危険を伴うような影響はない。

最初は、まるでホイール及び自転車が意志を持ったかのような挙動に違和感を感じるが、1~2日乗ればそれにも慣れる。安心して制御を委ねられるようになる、非常におもしろいホイールである。

強い北西風が吹く冬場でも、安心して使用できるように思う。

4. 音鳴り

R55C4カーボンブレーキシューとの組み合わせでは、残念ながら強いブレーキング時に「キィィィィィィィィ」という音鳴りがある。

もう少し使用を重ねるとある程度落ち着くのかもしれないが、ここは通常のカーボンリム同様音鳴りはあるものと思った方がよいかもしれない。

まとめ

1,600g弱と決して軽くはない重量だが、それを補って余りある縦・横剛性はあらゆる面で優位に働く。

特に、下りのコーナリングでの安定性は際立っている。

そのエアロ性能により高速域での速度の伸びもある。

横風に対しては、ブレからの収束が、まるで自転車が意志を持ったような感覚で制御を委ねられ、北西風の強い冬場での使用にも耐えられるように思う。

音鳴りに関してはややネガティブ(といってもその他のカーボンホイール同様)。


自転車雑誌の提灯記事やステマ(ステルスマーケット=さりげない広告)のように思われるかもしれないが、今のところ、これが私が感じた事実(=ファーストインプレッション)なのである。

少なくとも、私のようなFTP 280Wほど(2017年6がつ時点。いずれは300Wに乗せたい)の、トルク型のサイクリストには、このホイールには決定的な不満や弱点はない。

更に使い込んで、セカンドインプレッションの際は、

・このホイールが得意とする脚質
・このホイールが得意とするステージ
・アルミブレーキシューの運用

について言及したいと思う。

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